”海原に浮かぶヨット”をイメージして建てられたこちらの建物は、夢の島にある「新江東清掃工場」という、江東区周辺で集められた可燃ごみを焼却する施設。
東京23区内には全部で21箇所の清掃工場がありますが、この新江東清掃工場は焼却能力が1日に1,800トンと、日本でも最大規模の清掃工場となっています。
こちらの工場では、それぞれの家庭で出た可燃ごみが収集された後、どのように処理されているのか、その過程を学ぶための工場見学を実施しています。
実際の工場見学体験レポートをお届け♪
工場見学はおよそ90分。
初めに清掃工場で行なっている作業の流れや、環境保護への取り組みに関する映像を見ます。
「要点がわかりやすくまとまっているから、清掃工場がどんなところなのかを理解することができるね♪」
清掃工場に関する基礎知識を得た上で、実際に工場の中を見学していきます。
こちらは、ごみ収集車が乗り入れるための「プラットホーム」という場所。
収集車が駐車した後ろの扉が開くようになっており、そこから回収したごみを溜めるための「ごみバンカ」と呼ばれる施設に繋がっています。
▲街でもよく見かける「ごみ収集車」。
「ごみバンカ」の様子がこちら。
▲まるで巨大クレーンゲームのよう!?
クレーンに挟まれているのは、もちろん全部可燃ごみ。
ごみバンカに溜められたたくさんの可燃ごみは、少しずつ焼却炉に運ばれ、800℃以上の高温で24時間燃やし続けられます。
ごみは元の大きさの20分の1の大きさの灰となり、若洲の先にある「中央防波堤埋立処分場」へと運ばれていくのです。
なお、可燃ごみを焼却する際には様々な有害物質が発生してしまいますが、こちらの清掃工場では、排ガスに含まれる有害物質を取り除き、大気に放出しています。
また、工場内で発生した汚水も、工場内で綺麗にしてから下水に流しているのだそうです。
工場見学の際は、その様子を模型とアニメーションを用いた「マジックビジョン」によって楽しく学ぶことができました♪
▲アニメーションには、新江東清掃工場のマスコットキャラキャラクター「ルイくん」も登場します♪
さらに清掃工場では、ごみを燃やした時に出る熱エネルギーを利用して、電気を生成しています。
この新江東清掃工場で作られた電気は、工場内の電気として利用されるのはもちろんのこと、余った電気は電気事業者へ売却します。また、「夢の島熱帯植物館」などに熱供給もしているそうです。
▲工場内の電気や稼働状況をコントロールしている「中央制御室」。
地球のために私たちができること
こうして、私たちが家庭から出したごみは、清掃工場とそこで働くたくさんの人たちのおかげで、環境への負担を最小限にした状態で処理することができるのです。
しかし、どんなに最小限に抑えたとしても、家庭でごみが出続ける限り、ごみは埋め立て続けなければなりません。
現在可燃ごみを埋め立てている「中央防波堤埋立処分場」は、東京23区最後の埋立処分場とされており、この処分場が使えなくなってしまう未来がくるかもしれません。
少しでも長い間この処分場を利用するためには、工場や各地域での取り組み以上に、私たち一人一人がごみを減らす努力をすることが大切なのです。
美しい東京の街を守るためにも、3R(リデュース、リユース、リサイクル)を積極的に実施するなど、できることから少しずつ取り組んでいきましょう。
▲新江東清掃工場から見えるスカイツリー。最高の景色です♪
今回ご紹介した新江東清掃工場での工場見学は、個人・団体どちらでも無料にて行われています。
個人見学会などの日程などの詳細はこちらをご覧ください♪
「いつのまにか、ごみを捨てるのが当たり前になっていた。」
そんな大人にこそ来ていただきたい、新江東清掃工場の工場見学。
ぜひ一度、ご家族で参加してみてはいかがでしょうか?
更新日:2021年6月21日