日本最古の調味料、「お酢」。
そのままはもちろん、ソースやマヨネーズ、ドレッシングなどにも使われているお酢は、今や毎日の食卓に欠かせないアイテムですよね。
実は新木場には、「ヨコ井の醸造酢」で知られる「横井醸造工業株式会社」が本社・工場を構えています。
日本には、約160社ほどの食酢製造メーカーさんがありますが、なんと、東京に工場がある会社はこちらの横井醸造工業株式会社のみ!
つまり、新木場は”東京で唯一お酢を作っている場所”ということですね♪
今回は、そんな横井醸造工業株式会社にお邪魔して、「ヨコ井の醸造酢」ができる過程を見学させていただきました!
▲工場を案内してくださった、横井醸造工業株式会社4代目社長の横井太郎社長(右)と総務の二川目(左)さん。
工場見学の際は、このように衛生面に配慮して白衣・帽子着用で行いました!
ヨコ井の醸造酢の歴史
横井醸造工業株式会社ができたのは、今から82年前の昭和12年。
それ以前は材木業を営んでいたとのことですが、築地周辺で賑わうお寿司屋さんに着目し、材木業から食酢製造業へ転身。
元々材木を扱っていたことから、お酢を作るために必要な、大きな桶や樽を作ることができたのだそうです。
現在では、お酢作りに使われる容器はポリ容器がメインになっていますが、今でも工場の前には、以前使っていた木製の樽が置かれています。(トップ写真)
お酢作りを始めたばかりの頃は、お酢のことがわからず、なかなか美味しいお酢が作れない!と苦戦した時期もあるそうですが、
お寿司屋さんの職人さんに頼んで、どんなお酢なら喜んでいただけるのか?というのを何度も繰り返しリサーチし、10年近くの歳月をかけて、試行錯誤しながらお酢作りを続けていたのだとか。
そんな歴史からか、現在もお客様の6割近くはお寿司屋さんとのことで、都内では多くの寿司店が「ヨコ井の醸造酢」を使っているそうです。
つまり、東京近郊に住む多くの方々は、知らず知らずのうちに「ヨコ井の醸造酢」にお世話になっているのですね♪
「ヨコ井の醸造酢」ができるまで
ヨコ井の醸造酢の看板商品といえば、「江戸前寿司」に欠かせない、酒粕を原料とした「赤酢」。
現在のお寿司屋さんの多くは、米酢を中心に作られる「白シャリ」でお寿司を握っていますが、江戸前寿司の伝統にこだわり、赤酢で作る「赤シャリ」を使うお寿司屋さんもまだまだ健在。
赤酢は、香りが強くまろやかな味わいで、お寿司にはぴったりのお酢なんですよ♪
今回は、そんな「赤酢」の製造工程をご紹介します!
まずは、赤酢の原料である酒粕を貯蔵タンクに投入。
酒粕を室温で貯蔵し、4〜6年ほど熟成させます。
▲貯蔵した直後の酒粕(左)と、熟成後の酒粕(右)。
長期熟成させると、紹興酒のような芳醇な香りが漂ってきます♪
熟成した酒粕を水で溶かし、酒粕のエキス分を含んだ液体を圧搾機で絞り出します。
そして絞った液体に酢酸菌を植え付けます。
▲この膜状のものが「酢酸菌」。
酢酸菌の持つ「酢酸発酵」という力によって、液体に含まれるアルコール分が、お酢の主成分である「酢酸」に変わるのだそうです。
酢酸菌の膜を張ってから、およそ1ヶ月半ほどでお酢が出来上がり、濾過、調合、醸成を行います。
容器への充填や配送など、一連の作業を全て自社で行っているのが、ヨコ井の醸造酢の特徴の一つ。
こうして、都内有名寿司店やホテル・レストランなどに、そのしっかりした旨口のお酢をお届けしています♪
どこで買えるの?
ヨコ井の醸造酢は、一般での販売はあまり多くはなく、業務用での販売が売上の95%を占めています。
小売販売は地域密着で、江東区の地元のスーパーや百貨店を中心に行っています。
江東区ではないと買えないの?と思った方も、ご安心ください♪
インターネットで販売サイトを運営していますので、こちらのオンラインショップを利用すればどなたでもご購入いただけます!
また、平日の10時から16時までの間であれば、新木場駅徒歩16分の「横井醸造工業株式会社」の本社にて、直接購入することもできますので、お好みの方法で、ぜひ”江戸前のプロの味”をご家庭でも味わってみてくださいね。
ご紹介した赤酢はもちろんのこと、こだわりの製法で作った「真っ黒酢」、オーソドックスな「米酢」、有名店も御用達の「すし酢」、お醤油の代わりに食卓に置いて欲しい「ふりかけ酢」など、豊富なラインナップをお楽しみいただけますよ♪
更新日:2021年5月27日