2018年7月より、建物の改修工事のため長期休館していた「都立第五福竜丸展示館」が、約9ヶ月の工事期間を終え、4月2日についにリニューアルオープン!
今回は、改修工事でどんなところが変わったのか?というところに着目して館内の様子をご紹介いたします。
なお、「都立第五福竜丸展示館ってどんなところ?」という方は、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください♪
海外からのお客様にも楽しんでいただける展示館へ
まず、館内に入って一番最初に目につくのは、展示館の概要を案内してくれるモニター。(トップ写真)
こちらは日本語、英語、中国語、韓国語の4言語を下のボタンで選択することができます。
また、展示パネルにも英語での表記を追加。
2020年に開催される東京オリンピックも見据え、他言語での対応も現在検討中とのこと。
国内外問わず、より多くの方に第五福竜丸のことを知っていただける展示館へと成長し続けています。
訪れた全ての方が過ごしやすい空間づくり
館内は、床の全面張り替えを行い、天井もグレーから白になり、ライトもLEDに変更。
展示パネルも緑や青に切り替わり、館内全体の雰囲気がぐっと明るく、展示も見やすくなりました。
▲こちらの記事に同じ角度で撮影したリニューアル以前の様子が掲載されていますので、ぜひ見比べて見てください♪
また、階段の床は子供たちの足音が響かないようにクッションを敷くなど、訪れた全ての方が心地よく過ごすための、見えない工夫が施されています。
さらに、館内の男女トイレ、バリアフリーの「誰でもトイレ」もリニューアル。
屋外にもトイレを新設し、多くの来場者に対応できるようになりました。
▲展示館を出て左手すぐのトイレ。見た目もお洒落ですね♪
より「リアル」な学びを提供
今回のリニューアルでの大きなポイントの1つは、こちらの「船底シアター」。
こちらのシアター自体はリニューアル以前からあるコンテンツですが、今回は新たに「3D映像で歩く 第五福竜丸の船内」という映像を追加。
第五福竜丸は、保存の関係で来場者が船の中に入ることはできませんが、こちらの映像を見ることで、実際に中を歩いてるかのような気分になれますね♪
その他、2階部分にも映像コンテンツとして、第五福竜丸の元乗組員の「大石又七さん」の証言映像も追加。
以前は、体験者の話に触れることができるのは読む資料のみでしたが、今後は映像の中でお話を聞けるようになり、第五福竜丸での出来事を「情報」としてではなく、現実に起こったこととして、深く感じられるようになりました。
こちらは「モールス信号を打ってみよう」のコーナー。
前回も「電鍵(でんけん)」と呼ばれる出力装置(写真奥)はありましたが、今回は、自分が実際に電鍵で発信したモールス信号が、手前の機械の画面に表示されるようになりました。
実際に打ち込んでみると、モールス信号がいかに難しいのか!?ということを体感することができますよ♪
「第五福竜丸」を守るために
「都立第五福竜丸展示館」という建物は、あくまでも”第五福竜丸という船を保存する”ということが最も重要な役割。
そのため、今回の改修工事でも、来場者には気づかれないような断熱材の交換や、船を紫外線から守るためのフィルターの貼り付けなども行われています。
建物を改修するということは、「第五福竜丸を守る」ことに、そして第五福竜丸を守ることは、「その歴史を守る」ことにダイレクトに繋がっているのです。
開館から40年以上、第五福竜丸を守り続け、第五福竜丸とその乗組員の皆様に起こった出来事が二度と繰り返されないよう、事実を伝え続けてくれる都立第五福竜丸展示館。
まだ行ったことがない!という方も、リニューアル以前に行ったことがある!という方も、これを機に一度足を運んでみてはいかがでしょうか?
▲より多くの方に第五福竜丸のことを知っていただくために、パンフレットもリニューアルしています。
更新日:2021年6月12日