一般廃棄物・産業廃棄物・粗大ゴミの処理・収集を行う会社「株式会社春江」。
江戸川区に1箇所、新木場に2箇所の計3箇所のリサイクルセンターを所持しているこちらの会社は、多くの廃棄物処理業者・リサイクル業者の中でも、”質で日本一を目指す”をモットーに、ただゴミを運んで処理するだけではなく、ご利用いただいているお客様の喜びと、地球環境保全のために、様々な取り組みを行っています。
廃棄物処理業者とは?
そもそも、廃棄物処理業者とは、企業や店舗から出る廃棄物(ごみ)を収集・運搬し、それをリサイクルできる形に処理し、リサイクルできないものを適切な方法で処分する業者のこと。
廃棄物は、「産業廃棄物」と「一般廃棄物」の2種類に分かれていて、
産業廃棄物は、ビン・カン・ペットボトルや、ガラス、金属、コンクリートなど、”廃棄物処理法”よって特定された廃棄物。
一般廃棄物とは、産業廃棄物に特定されていない廃棄物(紙類や生ゴミなど)を示しています。
今回ご紹介する株式会社春江は、産業廃棄物・一般廃棄物両方を扱う業者です。
(産業廃棄物・一般廃棄物共に、一般家庭の収集は行っていません。)
春江の取り組み
株式会社春江は、東京23区を中心に、4000社以上の企業・店舗の廃棄物の収集を行っています。
150台の収集車が、早い場合は朝3時から。遅くても朝5時には営業所を出発し、午前中のうちに、1台につき50〜60軒の企業・店舗の廃棄物を収集しています。
収集した廃棄物は、その種類ごとにそれぞれのリサイクルセンター(自社の中間処理施設)に集まり、独自で設計された特別な機械と、人の手作業を両方を用いて入念な分別作業を行います。
▲古紙を扱うリサイクルセンター。種類の異なる紙や、紙以外のものを素早く手作業で省いています。
まさに職人技!
「紙」一つとっても、新聞紙、OA紙、ダンボールなど・・・種類ごとに分別を行うことで、それぞれの品質や特徴によって異なる紙の原料として使うことができるのです。
▲新聞紙だけをブロックにしたもの。
また、株式会社春江は、女性の社会進出にも積極的に取り組んでいて、重作業の少ない古紙・ダンボールのリサイクル作業は女性がメインとなって行なっています。
作業台やコンベアの高さも、女性が使いやすいようにと考えて設計されていることや、女性の現場リーダーを起用するなど、ハード面・ソフト面ともに女性たちが働きやすい環境づくりがなされていました。
▲現場リーダーは、フォークリフトショベルを軽やかに乗りこなすこちらの女性。
こちらの作業台は、女性でも簡単に重たいごみを手前に引き出せるような仕組みになっています。
▲奥で作業されているのも女性。
なお、株式会社春江では、ビン・カン・ペットボトル、その他プラスチック類、生ゴミ、粗大ゴミなど多種多様の廃棄物を扱っていますが、
中でも最も収集量の多いのが、「古紙・ダンボール」で、一日平均50〜60トン、年末年始などの繁忙期は一日の収集量が100トンを超えることもあるのだそうです。
「分ければ資源、混ぜるとごみ」
廃棄物処理業者が一般的な家庭ごみの処理と大きく異なるのは、収集した廃棄物を、可能な限りリサイクルできる形で処理を行うということ。
特に、株式会社春江では、”もったいない”を合言葉に、「ゴミゼロエミッション」という、企業によって生じる廃棄物を、リサイクルによって他の企業で使える原材料にするなど、”廃棄物(ごみ)ゼロ”を目指すために、廃棄物のリサイクル化・ごみの原料化を実践。
印象的だったのは、「分ければ資源、混ぜるとごみ」という考え方。
収集した廃棄物を、ビンはビン、缶は缶、ではなく、ビンは色ごとに、缶はアルミ缶とスチール缶に分けるなど、原料ごとに細かく分別していくことによって、ただの”ごみ”から、”リサイクルできる”資源”となり、新しい製品へと生まれ変わることができるのです。
▲スチール缶のみをプレスしたブロック。この後、製品に再生します。
また、飲食店などから収集する生ゴミは、一緒に混ざっている割り箸や包装プラスチックなどを取り除き、飼料や堆肥へ。
さらに、近年では生ゴミから「メタンガス」というガスを発生させ、発電に利用することもできるのだそうです。
粗大ゴミについても、例えば、木と鉄が組み合わさってできた椅子なども、木と鉄で分解することによって、それぞれがリサイクルできる資源になりますし、
パソコンやゲーム機は、部品ごとにプラスチック、銅、鉄、アルミ、貴金属など様々な原料になるので、専門のスタッフが分解作業を行います。
こうして、どんな廃棄物も、できるだけリサイクルできる形まで分別を行い、
最後に残るリサイクルできないものは、破砕して燃やし、その際に発生する熱エネルギーを利用して電気を生成。
株式会社春江は、まさに”ごみゼロ”を実現している企業なのです。
”質で日本一を目指す”ために
独自で考案していた分別システム、それに伴った徹底したリサイクル化はもちろんのこと、株式会社春江の最大の魅力は”質”という付加価値へのこだわり。
リサイクルセンターは毎日清掃を行い、廃棄物処理場とは思えない清潔感。
そこで働く皆様も、活気に満ち溢れ、気持ちの良い挨拶が飛び交っていました。
また、廃棄物収集車も、いつでも綺麗な車でお客様の元にお伺いできるよう、その日の収集が終わった後に必ず洗車を行っています。
当然ながら、洗車している時間は廃棄物の収集はできませんし、毎日150台の収集車を洗車するためには、大きなコストが発生します。
それでも、30年以上ずっと続けているのは、”質”を落とさず、お客様に喜んでいただくことを大切にしているから。
廃棄物を収集・運搬し、処理するという文面だけ見れば、単純な作業のようにも感じられますが、株式会社春江では、その一つ一つがお客様や地球環境のためになるよう考え、その”質”を問い続けていることが、作業の様子から感じ取ることができました。
企業として活動していく中で、廃棄物を出ないようにするのは難しいことかもしれませんが、ここに任せれば、自分たちの出した廃棄物も、きっとより良い形で処理してくれる。
株式会社春江は、そんな安心と信頼を与えてくれる企業でした。